当たり前ですが、冷えているものは体を冷やします。冷蔵庫や冷凍庫に入っているものですね。冷蔵庫ができる前までは、こんなに冷えたものを食べたり飲んだりすることはありませんでした。特に夏は。時代は変わっても体は変わりませんので、基本的に体は冷たいものには慣れていないと思った方がいいでしょう。

　冷蔵庫に入っていなくても冷やす作用を持っている食材というのがあります。それは、夏に採れるもの、暖かい土地で採れるものです。例えば、夏野菜。トマト、なす、ゴーヤ、きゅうり等ですね。それから、暖かい土地で採れるバナナ、マンゴー、パイナップル、キウイ、梨等です。暑い時期や暑い所で採れるものは、体を冷やすと覚えておくといいと思います。ただ、そのまま食べるのではなく、焼いたり、揚げたりと火を通せば、冷やす作用はなくなります。
　また、精製されたものも冷やすと覚えておきましょう。特に白砂糖。
　ちなみに、反対に寒い時期や寒い土地で採れるものは体を温めます。地下にできるものも多くは体を温めますね。

　東洋医学では、甘い、辛いなどの味にも作用があると考えます。例えば、「甘さ」は、緩めるという作用があります。だから、ストレスがあるときに欲しくなるんですね。「辛さ」は、発散という作用です。辛いものを食べると汗が出ますね。発散しているわけです。そして「苦味」なんですが、これに実は冷やす作用があるんです。先ほど夏野菜の所でゴーヤが出てきましたが、ゴーヤなどは、夏野菜で、さらに苦いわけですから、他のものより冷やす作用が強いといえるでしょう。暑い沖縄でよく食べられているのもうなずけます。
　そうなると、ビールはどうでしょう。冷たく冷やしているうえに、苦くて利尿作用（排尿時に熱を奪う）もあります。かなり冷やす力が強いと思われます。おいしいですが、ほどほどが良さそうです。